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2007.01.01 13:00



こんにちは。


こちら、リアル日付では2013年1月4日でございます。
皆さま、あけましておめでとうございます。


え、えーーーー
学園祭で薪さんが女装する話。ひよことさかなと日本同時並行で妄想しておりました。変態ですみません。

で、本当はひよこ編が終わったら、続いてこちらのさかな編も表で公開しようと思ったりもしたのですが、あまりに変態なのと、長いのでやっぱり隠すことにしました。

だってこのひとたち、ワードで11ページもえっちなことしてるんですよ? どう思います? ←すみません。

しかし……
なんででしょうかねぇ……なんかへんたいチックになってしまうんですよ。 あ、そんなことないですか? みちゅうお子様だからよくわかんないんですけど。

たまに頂くコメントで「すずまき」って言われることがありまして、「え、私、生粋のあおまきすとですけど」と思っておりましたが、うーん、確かにさかなのお二人はやりまくってるとか言われてるし、結婚式も上げてますしね。 え、違いますかすみません……


何を言ってるのかわからなくなりましたが、
薪さんと鈴木さんのえっちい話です。

いらっしゃらないと思いますが小さなお友達は回れ右してください、おばちゃん怒られちゃうんで。

もしよろしかったら~~~

でも、読んでも軽蔑しないでください。


















「やっぱりみつかっちゃった」
 敷地の一番端にある棟の一階にある階段教室の黒板から一番遠くの、扇形に設えられた長机の端に腰掛けて足をぶらぶらさせながら薪は笑った。白くて薄いニーハイストッキングの先で踵が脱げたハイヒールが今にも落ちそうに揺れている。

「薪が消えたんだ、捜してくれ、鈴木」
 そう、圭から鈴木の携帯に依頼があったのが5分ほど前で、捜さなくても鈴木には、今日この校内で薪がどこに行くのか察しがつく。
 文化祭のせいで、学内からも外からも大勢のひとが詰めかけてかしましくしているその喧騒から一番遠い所、普段の授業でだってもうあまり使われていない端っこの教室に、薪はいるはずだ。

「て言うか…鈴木ならきっとここに来ると思ったから」
 開いた膝の間についた両手のすぐそばで黒いフレンチタイプのメイド服のスカートと裾にあしらわれた真っ白なレースが揺れている。
 行儀悪く薪が机の上で片膝を立てると、つま先から脱げ掛けていたハイヒールがカランと音をさせて床に落ちた。
「待ってたんだ」

「見つけたら連れてきてくれよ、今日の主役なんだから、薪は」
 そうまくし立てる圭にわかったよと返して、でも今ここで彼を見つけた鈴木にはさっき圭に言われたとおりにするつもりなんてまったくない。

「どうして? 薪………?」
 そう訊きながら、黒板の前から薪の居る一番奥まで段を上ってくる鈴木に薪は首を傾げる。
「嫌になっちゃったんだよ、広報委員会なんてのが来てさ、写真撮りたいなんて言い出したのまでは我慢したんだけど、そいつらの………」
 鈴木の足取りは軽くない。一段一段踏みしめるように自分に近づいて来る鈴木を目で追いながら薪は言葉を続ける。
「ぼくを見る目が耐えられなかった、まるで女の子見るみたいな、嫌らしい目で、ぼくはだれからも……」
 さっき薪が落としたハイヒールを拾い上げて、いよいよ自分のすぐ目の前に立った鈴木を、机に腰掛けたまま薪は見上げた。
「だれからもそんな目で見られたくない……鈴木以外には」

 さっき薪が落とした靴を、無言のまま鈴木が履き直させる。
「ね? でどう?」
 机の上にあげていた足を素直に下ろして、薪は彼のするようにさせながら薪が自嘲を含んだような声で訊いた。
「鈴木にはどんな風に見える?」

「…だったらどうしてそんな恰好したんだ?」
 薪からの問いには答えずに、そう訊き返した鈴木に薪は嫌そうに顔を逸らす。絹糸を撚って作られたようにしなやかな薄茶色の髪の流れる影では、耳たぶにご丁寧にもジルコニアのイヤリングまで揺れている。
「どうして? 薪?」
「………っ、鈴木のせいだよ、圭がこの話持ってきた時に鈴木が…『良いね』なんて言うから、ほんとは……」
「ああ」
 と鈴木は最近の薪の不機嫌に合点がいって頷く。
「勢いだった、ごめん、本当は」
 薪がそういうの、好きじゃないって知っていたのに。
「いいよ、もう……結局やるって決めたのはぼくなんだしっ」
 逃げてきちゃったけどね、と、さっきまでの不機嫌を払うように首を振ってから、薪は正面に立つ鈴木に向き直った。
「で、どう?」
 座っている自分から幾分も高い位置にある鈴木の顔を、上目づかいで窺うように見上げながら薪が首を傾げる。鈴木に視線を置いたまま目を細めると琥珀色の輝きにすっと冷たい色が走って、それがいやに徒っぽい。
「女の子に見える?」
 傾げた頬に長く伸ばした前髪の影をゆらゆら躍らせながら、さっき悪ふざけで紅色を濃くされたままだった唇で、薪は鈴木に尋ねた。
「薪に見える」
「……?……」
 即座に返した鈴木の返事に薪が瞳を大きくする。言われた意味がわからないと不思議そうに瞬きする、そのあどけない様子に鈴木は困ったような笑みをもらした。
「どんな格好してても、薪は薪だよ、男でも女でもどうでもいい……おれはいま、そのことを嫌ってくらい思い知ってるよ」

「……キスしたい?」
 力なく持ち上がった鈴木の口の端に、目を細めながら薪が訊く。
「ねぇ…こんな恰好のぼくでも、鈴木はキスしたい………?」
 カタリと靴音をさせて一歩薪に近づいて、鈴木は肯いた。
「したい」
 と、そう断言した後の鈴木は性急だった。
 机の上に腰掛けたままの薪の腰を腕で絡めて抱き寄せる。反対の手は薪の頬へやって彼の唇を自分の方へ向けさせる。親指を薪の下唇に押し当てて、まるで息ごと吸い取るみたいに口づけた。
 薪の小さな唇を自分の口で覆って、さっき悪戯で付けられたリップグロスを舐め取った舌で薪の口をこじ開けて、何回たどったかしれないよく知った薪の口の中を今日は少し乱暴に巡っていく。長く続くキスに、呼吸が苦しくなったと文句を言う薪の舌にそれでも自由を与えず、斜めからもっと深く重ねて反抗的な舌をしびれるくらい強く吸い上げた。
「…ふ…ぅ、あ……」
 やっと鈴木が薪に呼吸の自由を返した時には鈴木の息もすっかり上がっていた。
 いつの間にか鈴木の両肩に置いていた手ですがるようにしながら急いで息を吐く薪の、俯きかけた頬を持ち上げて、また唇を寄せる。
「ちょ…鈴木、くるし……」
 抗議の言葉も最後まで紡がせない。さっきより乱暴に、まるで咬み付くように口づければ言葉の代わりに薪が首を振って鈴木の唇から逃れようとするのに、鈴木は薪の腰をいっそう自分に寄せてから今度は両手で薪の頬を包む込んで彼の瞳が自分の方を向く様に固定した。
「口紅なんて着けたのか」
 一旦口を離して、鈴木が見れば大きく息を吐く薪の口の端にピンク色が流れて汚れている。返事の代わりに薪が瞬きすると、息苦しさで湿っていた瞳から一粒だけ涙が頬に零れてでも熱い頬の上でそれはすぐに揮発する。
「こんな余計なの…なくても薪はきれいなのに」
 言いながらまた口づける。今度はさっきよりも優しく。舌の深度を変えながら薪の息が苦しくならないように、時折口を離してはまた包み込むを繰り返しながら熱に浮かされたひとが幻を求めるような指先で包んだ薪の頬骨やまぶたやまつ毛に愛おしげに触れながら口づけする。
 キスを繰り返しながら、薪の額を撫でてまるで絹糸を撚ったようなしなやかな髪の中に手指を差し入れる。そのまま髪を後ろへ流すように撫で上げれば、いつもはそんなもの無いのに、今日薪の頭にはまっ白いヘッドドレスがカチューシャの形でくっついて鈴木の指の動きを邪魔する。
「これ、邪魔」
 少しだけ唇を離した隙に短くそう言って、鈴木はそれをむしり取るようにしてどこかへ放り投げた。力の余韻で薪の髪が空をふわりと流れるとその毛先が金色に光る。
 邪魔者を排除したのに満足して、こめかみを親指で撫でて他の4本の指は髪の中を泳がせながら、貝を伏せたような薪の小さくて形良い耳に辿り着き、マシュマロみたいにふっくらとした耳たぶを愛おしげに辿ると、そこにまた鈴木の指は常にない硬質なものを見つけて、
「これも要らない」
 忌々しげに言って、薪の左耳に付いていたイヤリングを右手の人差し指と中指で摘まんで乱暴に取り除いた。
「痛いっ」
 無理やり引っ張られた痛みで薪が小さく声を上げる。鈴木の胴の両脇に下がっていた薪の足が大きく震えて鈴木の胴に当たるのに、
「ごめん」
 と小さく謝って、鈴木は薪の口から離れて代わりに今自分が痛くした耳たぶを口に含んだ。柔らかな薪の耳たぶにそっと舌を這わせて、舌先でさっきまで硬い金属が挟み込んで少しくぼんでしまっている跡をくすぐると、鈴木の両脇の薪の足が震える。
「治った?」
 尋ねたのに、薪からの返答も待たずに今度は鈴木は反対側のまだイヤリングが残されている方の薪の耳を、ジルコニアの石ごと口に含んだ。
「こっちはもっと優しく取ってやるから」
 言いながら石の周りを舌で辿ると鈴木を挟む薪の膝の力が強くなる。薪の膝の反応が楽しくて何度か繰り返しイヤリングごと薪の耳たぶを舌で愛撫した後、歯を立てて、でも薪の肌は傷つけないように慎重に、鈴木は薪の耳にくっついていたイヤリングを取り去ると、プっと音をさせてそれを吐き出した。

「気持ちい?」
 頬に手を当てて、正面を向かせて覗き込んだ薪の瞳にはもうすっかり情欲の灯がともっている。
「気持ち、い……」
 同じ言葉を繰り返してこくりと頷く薪の琥珀色の瞳がはちみつのように蕩けて、水に浮かぶ影のように揺れているのに満足しながら、鈴木は自分の右側に垂れていた薪の足を、膝の後ろに手を当てて机の上に載せた。
 ももの半ばまで着ていたストッキングの片方を膝の下までずり下ろして露わになった肌に指を這わせる。内側も外側も何度も繰り返し撫でながら口づけを再開すると鈴木の舌のいたずらに連動して薪の膝が震える。頬や顎まで舌を這わせて首の下の皮膚を吸うと鈴木の左側に垂れていた薪の右足が鈴木の膝に絡みついた。
 薪の応えに小さく笑みながら、短いスカートの中へ、幾重にも重なるパニエの布地を掻い潜って鈴木が薪の足の間に手を進めると普段とは違う触感に鈴木の指が止まる。すべすべとした化繊の触感と薄い布のひらひらが重なりあっている感じが指先に触る。
「なにおまえ、下着まで女物なの? 薪?」
「だ…って、圭が……」
「にしても、やりすぎじゃない?」
 すっかり上がった息と熱を持った瞳で薪が答えるのに鈴木は冷たく返事をする。
 冷たい応えを返しながら、その言葉とは裏腹に鈴木の手は嬉しそうに薪の足の間を、レースとフリルの付いた布ごと包み込んでそっと撫でる。触れればまるで応えるように薪の体が熱くなる。
「ほんと、いやらしい、ね………?」
 耳元でささやいた途端、鈴木の手の中にいた薪の温度が上昇する。
「や」
 羞恥で赤く染まった頬に音を立てて口づけしてから鈴木は、机の上で自分の腰の脇に手をついて体を支える薪の開いた足の間で床に膝を着くと、まるで敬虔な信者が祈りを捧げるような恭しい態度で、机の上の薪のスカートの中に頭を突っ込んだ。
「…っ…」
 普段晒されることがない柔らかな肌に鈴木の髪が擦れる。薪は詰めた息で目を閉じて、少し天井を仰ぐように上向くと、服の下に潜り込んだ鈴木の頬を囲む足が自然に、まるでそれ以上先に行かせないようにするみたいにその間が狭くなる。鈴木は自分の耳のすぐ横にあった薪の膝の下へ手をやって丁寧に開かせた。
「もっとやらしくなって」
 言って、さっき指で辿った薪の肌を今度は舌で辿る。内側の柔らかな皮膚を吸うと鈴木の頭の上で薪が「あ」と小さく声を漏らして震えるのと、象牙みたいに滑らかで白い薪の肌の上にはまるで真っ赤なバラの花のような模様が浮かび上がる。
 その赤い跡を慰めるように舌で舐めると鈴木の頭を挟み込んだ薪の足がまたきゅっとつぼまって鈴木の耳を痛くする。
 いつの間にか肩の上に載っていた薪の足の重みと頬に触れる薪が小さく震えるのを感じながら、鈴木はパニエの重なりの奥にあるフリルの上に伸ばした舌をそっと押し当てた。
「あ」
 と、さっきより一層大きく薪の体が震える。
「いいの?」
 訊きながら鈴木がロリポップを味わう子供の様に舌を動かすと薪の肌のひきつれるように震えるのと鈴木を挟む足に力が加わるのがわかる。
「言って…いいの?」
 幾重にもの布に邪魔されて、鈴木には薪の表情は窺えないけれど、時折ぴくりと薪の足の爪先が弾けるのと、遠くから聞こえる薪の息が甘い色を帯びているのと、いつの間にか鈴木の栗色の髪に差し入れられた薪の指先の震えるのが薪の顔色を鈴木に教える。
 今、薪は、絶対に他人には触れさせない深い所を鈴木に良いようにされて、頬は羞恥で朱色に熱を持って、口元は後悔するようにゆがめても、その瞳は隠しきれない快楽にその色を染めているはずだ。
「いい」
 聞かなくてもわかってる。

「楽しいけど、コレも取っちゃおうか…邪魔デショ?」
「あ」
 いっそう深く頭を差し込んで、鈴木が縫い付けられたリボンを歯で咥えると薪の体を大きく震える。
「もう、きついだろ」
「ん」
 こくんと薪が頷く振動に、鈴木はなんの未練もなく服の下から顔を上げるとゆっくり立ち上がりながら、薪のスカートの中に差し込んだ手指を滑らせて、そこに纏わりついていた邪魔な布を取り去ろうとする。
「こんなかわいいのだったんだ」
 でも完全には脱がさなくて、まだ薪の左のくるぶしに引っかかったままにしたそれを見て鈴木は呟いた。
「着けてるとこ、見てから脱がせばよかった」
 くしゅっと小さく丸まって薪の足に引っかかっているそれは、薄ピンク色でそこかしこにフリルやリボンがあしらわれて女の子が髪を飾るのにも似て見えるのに、鈴木の悪戯のせいで所々が湿って布地の色を濃くしている。
「でももう、汚れちゃったね」

「すずき」
 小さな声で薪が呼ぶ。その声で鈴木は彼にキスをねだられているのがわかって、だから持ち上げた膝ごと薪を抱きしめてそっと唇を寄せた。
 今度性急なキスをしたのは薪の方だった。
 寄ってきた鈴木の唇を、待ちきれないと彼の頭を引き寄せて口づける。さっき自分の肌の上に赤い跡を付けた鈴木の唇を噛んで差し入れた舌で行儀よく並んだ歯列を辿る。まるでやんちゃな子供が暴れるみたいな薪の舌に応えながら、鈴木にはもうわかってる、薪が堪らなくなってしまったこと、薪が口にしなくてもよくわかってる。
「したい?」
 でもわかっていても聞きたくて、
「して、って言って」
 まだ自分を求めてくる薪の舌先をいなしながら鈴木は言った。
「聞きたい、言って?」
「して」
 鈴木の口のすぐそばで、浮かされたように薪が応える。
「して、鈴木、された、い」
「うん、おれも」
 もう待ちきれない。
 薪の後頭部に手を当てて、鈴木は彼の体を机の上に丁寧に横たえる。それから自分が彼を愛するのに必要最低限なところだけあからさまにすると、薪の膝を二の腕に載せたままそっと彼の内側に入って行った。
「う、んっ…」
 鈴木が自分を訪れるのに、薪は顎を反らして小さく呻くような声を上げた。
「痛い?」
 訊かれて薪は目を閉じたままかぶりを振る。
「それより、もっと」
 こっちに来て、と求めるみたいに、薪は鈴木の腰に足を絡ませて自分に引き寄せるように力を入れる。その求めに従って、これ以上ない位ぴったりくっついてから、鈴木は左手で薪の額に掛かっていた前髪を掻き上げると、額に唇を落としながらゆっくりと薪の体を揺すり始めた。
 角度がついた机上の上で抱き合うのは不安定で、鈴木に揺らされながら薪は彼の肩にしがみ付く。しがみ付いてくる小さな体が自分が作り出す律動に合わせて上下するのが健気で、鈴木は自分の肩の上にあった薪の顎に手指を添えて自分の前に持ってくるとそっと口づける。鈴木の唇に気付くと薪は瞳も開かないまま、彼を自分の口の中へ迎え入れようと舌を伸ばす。
 二人ともほとんど着衣のままなのに、薪の息はすっかり湿り気を帯びて瞳まで濡らしているし、鈴木はどこもかしこも焼けた鋼のように熱く硬くしている。
「ほんとにやらしいね?」
 くすくすと笑い声を混ぜて鈴木が耳元で囁くのに薪の体がいっそう震えた。

 そのすぐ後だった。
「でさーー」
「えーーまじでーー」
 ドカドカいう靴音と人の声が廊下の向こうからこちらの教室に向かって近づいて来る。

「……………」
 とっさに鈴木が、抱き締めたままの薪の体を抱き上げて床の上、長机の影に身を隠した。
「っあっ」
 振動でどこかを痛めたのか、薪が小さく声を上げる。
「ごめん、でも」
 静かに、とつぶやいて鈴木は自分の膝の上に載せた薪の体を抱きしめる。
 こんなところ、見つかったら二人身の破滅だ。お互い以外失って惜しいものなんてないと思っていても、何も自分たちから投げ出すこともない。

 近づいてきた一行は大学のいくつかある裏門の一つから出るのに何の酔狂かわざわざこの棟へ立ち寄ったらしい。
「おれ、ここ来たことないよ」
「なんだっけ…般教の何か取るとここで授業があるらしいよ?」
「まじでーー」
「ひといなくて怖くねぇ?」
 かしましい足音と話し声が、鈴木と薪の居る階段教室のすぐ前で止まった。
「けっこうでかい教室じゃん」
「入ってみる?」

「……………」
 外の声を窺って、息を殺しながら鈴木は、さっき自分が打ち捨てた薪の着けていたホワイトブリムやイヤリングは一体どこへ行っただろうかと考えていた。見つかっちゃうかな? なんて言い訳する? でもどうして自分は薪の体を離そうとしないんだろう。ぎゅっと抱きしめて、まるでかくれんぼで鬼に見つけられるのを待つ子供みたいに緊張で鼓動を速くさせながら、でもどうしても離せない。

「鍵、かかってんじゃん?」
「やめとけよーー」
「なんかお化け出そう」
「出るかよ、昼間から」
「それよりさーーーー」
 一度止まった歩がまた進む。相変わらずうるさい足音は壁で仕切られた廊下を薪と鈴木のすぐ横を通り過ぎて段々遠くなりやがてすっかり聞こえなくなった。

「びっくりしたね」
 辺りが静寂を取り戻しても、まだ疑っているみたいにしばらく二人静かに息を潜めていたが、いよいよ二人だけになったと確信してそう言い出したのは薪だった。
「うん」
 と鈴木は肯く。
「鈴木が放してくれないんだもん、隠れるより身支度してごまかした方がよかっただろ、ほとんど脱いでないんだし」
 自分だって抵抗もせずただ膝の上で素直に抱きしめられておとなしくしていたのに、いまさら責める薪に鈴木が含むように笑う。
「なに?」
 その笑い方が気に入らなくて、薪が自分のすぐそばの鈴木の瞳をじっと睨むと、鈴木は彼の瞳を見返しながら
「いや…あんなことあっても萎えてないから、薪ってけっこう……」
 ヘンタイだよね? と耳元で囁けば、一瞬で怒ったのか薪が鈴木から体を離そうとするのを、気付いた鈴木が低く笑いながら抱き留めて自由にさせない。
「見つかっちゃうかもって興奮した?」
「な、んだよっ、そんなの鈴木だっておんなじじゃん」
「おれは自覚あるもん、ヘンタイでけっこう、でも」
 薄くて華奢な薪の肩に腕を廻して自分の胸に押し付けて動けないようにする。それから反対の手を背中に回して、薪のうなじ、ワンピースの白いカラーの影に隠れたファスナーを見つけると肩甲骨の下の高さまで下ろしてから服を薪の肘の部分まで押し下げるようにして彼の上半身を露わにした。
「なに?」
 急に触れた外気に薪の体が震える。抵抗しようとして腕に自由がないことを知る。
「なんだよ、薪、おまえ上も女物の下着つけてたの?」
 上着を脱がせてみれば、薪はさっき薄が脱がしたのとお揃いと思われる薄ピンク色の少女趣味めいた可愛らしい下着を胸の周りに纏合わせていた。
「すごい、ヘンタイ」
 可憐なその生地は薪の白く透けるような肌によく似合って、それをまじまじと見つめながら鈴木は言った。
「ちがっ、あ」
 頬を朱に染めてかぶりを振る薪の首に唇を落とす。鎖骨の上に舌を這わせてそれから、付けている下着を外しもせず上にずり上がらせるとカップの中のパッドが零れ飛ぶ。はしたなく露わにされた胸を鈴木は舌を伸ばしてぺろりと舐めた。
「でも…自覚が無い悪い子には教えてあげなきゃね」
 言って鈴木は床の上に座り直すと、両手で薪の靴を脱がせ踵を床の上に着けさせてから自分の腹に薪の腰を引き寄せた。
「あ」
 その力強さに薪が震える。細い腰に手をあてて優しく撫でながら鈴木は言った。
「薪がひとりで動いて、おれのこと気持ち良くして?」
「そ…んなっ、できないよ」
 不当だと思える鈴木の要求に、薪が瞳を大きくする。一瞬で温度を増した頬と、反抗して彼の胸を突き飛ばしたいと思うのに脱がされ掛けの服に戒められて思うように動けない。
「できるよ、簡単、いつもしてるみたいにして」
「いやだ」
 鈴木の膝の上に載せられて自由を奪われて、でも言うことなんてきくもんかと暴れる薪を鈴木が小さく笑う。
「でもほら、して、って言われただけでもう、薪は感じてるよ?」
「!」
「素直じゃないね」
 すっかり朱色になった頬でぷいと横を向いてしまった薪の腹を指の爪先で上から下にそっと撫でおろすと鈴木の腰を挟む薪の足の内側が震える。それでもまだすねたように動かないでいる薪に、腹や腰や胸を触れるか触れないかくらいに撫でながら、鈴木が耳元で囁く。
「動いて、薪…おまえが気持ち良くなるように動けばおれだって良くなるんだ、それってすごいことだぜ? だから」
 きもちよくなってごらん?
「……………」
 観念したように、薪がおずおずと動き出す。踵を支点に少し持ち上げた体を重力に従って鈴木の膝の上に落とすとまるで突き通されるような感覚が背中を走って薪の背を反らせる。
「ほら、良い」
 始めはゆっくりとした動きだったのに、いつの間にか薪の息も動く速度も速くなる。熱を帯びて湿った薪の息が鈴木の肌の上で銀色の汗に変わって転がり落ちていく。
 激しさにふらつく肩を抱き寄せて額を肩の上に載せさせると薪の息が鈴木の耳のすぐそばに聞こえて彼の体の温度をなお高くさせる。

「手…自由にさせて」
 鈴木に言われた通り体を揺らすのを続けながら薪が言う。
「触りたいの?」
 訊かれても、鈴木の肩に額を預けて揺れながらでは薪が肯いたのか否定したのか鈴木にはわからない。
「不安定で……上手に動けない、からっ」
「十分上手だよ、すっごく気持ちい、し……それに、不自由もいいもんさ、たまには」
「いや、お、願い…抱きたい、すずきのこと」
「…………仕方ないなぁ…………」
 薪の耳の横でこれ見よがしにため息を吐いて、鈴木は薪の肩を支えていた手を背中にやって、真ん中で止まっていたファスナーを腰まで下げた。途端に腕を、それまで自分を戒めていた服の袖から抜いて薪は両手を鈴木の首に絡めると引き寄せて唇を求める。すっかり湿って熱くなった息を吹き込むみたいに口づけしながら上半身を鈴木に摺り寄せるようにする。
「邪魔だから、これも取っちゃおうね?」
 それから、もう下着の態をなしていなかったファウンデーションを外させて傍らに放り投げる。その間も薪は自分の体を揺らすことを止められない。
 鈴木にすがりついて、耳元で吐く息もますます湿り気を増して速く熱くなるのに、
「触ってあげるから…いける?」
 鈴木が薪の体の真ん中にそっと手指を掛けると、薪は「ああ」と叫んで鈴木を抱きしめる腕の力を強くした。
 溺れかけたひとが助けを求めているみたいに、鈴木の胸にすがりついてそれきり動くのを止めてしまった薪を鈴木が窺う。
「どした? まだよくなってないでしょ?」
「や」
 頑是ない子供の様に、鈴木の胸に頬を擦り付けながら薪が細かく首を振る。
「や、だ」
「触っててあげるよ? おれの指の代わりに薪が動けばいいんだよ?」
「すずきも」
 言って薪は、それまで床の上で自分を支えていた踵を上げて両足を鈴木の腰に巻き付けた。
「すずきもっ」
 頑なな薪を、鈴木は両手を頬にやって顔を上げさせた。すっかり熱くなった頬と、蕩けきったはちみつ色の瞳を見つめながら、いつもよりふっくらと艶を含んだ唇に口づける。
「いいよ、じゃあ、一緒にしよう」
 肯いて、鈴木は体の重心をほんの少し後ろに移した。片手を床について反対の手は薪の腰に置いて、薪の体を下から揺らし始める。
「あ」
 鈴木の思うとおりに体を揺らされて薪が小さく叫ぶ。でもすぐに、鈴木の胸に手をついて彼の動くのと自分をシンクロさせる。
 鈴木の律動で揺れる薪の頬や顎から汗の粒が、滴って床を濡らす。鈴木がついた手の下の床だってもうすっかり湿ってる。二人を囲んでいる木製の机や椅子だって、二人が作り出した水蒸気を吸っているはずだ。とても飲み込みきれないくらい。
「きもち、い、ね……」
 そう呟いたのがどちらだかは知れない。もしかしたら二人同じ時にそう言って、抱き締めあったのかもしれない。
 動くのを止めても、いつまでも息は速く荒くて、静寂がすっかり戻ってくるのを、二人ともじっと抱き合って待っていた。


「今度縛ってやろう」
「! なんで?!」
「動けない薪、ちょーよかった」
「…ヘンタイ!」
「だから、そう言ってんじゃん」
「いやだ」
「でも誰にでもじゃない、薪にだけだ」
「い・や・だ!」
「どうして?」

 嬉しそうな鈴木の栗色の瞳を、薪の琥珀色の瞳がまるで射抜くみたいにまっすぐに見つめる。

「心が、鈴木に縛られて十分不自由してるのに、身体まで縛られたらぼく、どうしようもなくなっちゃう」





(終わりです)

つまんないのに無駄に長くてごめんなさい、でも楽しかった~~~



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