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2013.01.03 06:29



こんにちは。



昨日の続きです。

あ、言い忘れておりましたが、こちら原作にお出ででない方がいらっしゃいます。圭ってのはずーーーっと前の妄想でKって言われてたひとですね。 勝手にすみません………



そんなわけで、よろしかったらお付き合いください。






















 そして当日、約束の時間の15分前に鈴木が今回会場となる教室に着いた時には、ゼミの主だった者に加え何故か雪子とその友人までそろっていて鈴木を驚かせた。
「いや、つよし君が女装するって聞いたからさぁ」
 なんでおまえがここに?!と、責める瞳を見開いた鈴木に雪子が、かかかと笑う。
「見ものじゃなぁい?」
「っ」
 舌打ちして、忌々しそうに眉を寄せる鈴木に雪子は、
「嘘よ」
 と取り繕うように言った。
「圭くんから、つよし君に化粧してやって欲しいって頼まれたの」
「圭は?」
 不機嫌さを隠しもしない声で鈴木が訊く。
「買い出しという名の逃亡中」
「薪は?」
「着替えてるよ、3号教室の準備室で」
 そう教えられれば鈴木は他が取り付く島もなく、薪がいると教えられた小さな部屋に向けて駆け出して行った。


 目的の部屋の前に来れば、
「おれだ、薪、入るぞ」
 ドアをノックすることも入室の許可を得ることもすっかり忘れた鈴木がいきなりドアを開け放って中に入る。
 勢いよく開けたドアを後ろ手で閉めた途端に、
「なんで鍵閉めないんだ、着替えてるのにっ」
 自分が言ってることとやってることの矛盾に気づきもしないで鈴木が大きな声で咎める。
 咎められた薪はまだ平素と変わらない恰好のまま、いつもなら資料や専門書が広げられている大きな机の上に、友人から預けられたままの服や小物をひろげてその前に立っていた。

「鈴木……」
 突然現れたひとの名を呼んだ薪の声には明らかに安堵の色が見えた。
「よかった…ちょっとどうしていいかわからなくて……」
 鈴木の姿を見止めてほっと吐いた息と、時には冷徹なくらい冷たく感じられる琥珀色の瞳が穏やかに緩んで瞬きしたのも透いた頬に桜色が差したのも、目にした途端それまで鈴木の心の中でもやもやと渦巻いていたものが霧が晴れる様に消えてしまう。
「困ってたんだ」
 とそう俯き加減に言われた時には、まるでいつもと変わらない様子で、仕方ないなと微笑んだ後、
「どうした? 薪」
 訊いて鈴木は薪に寄って行った。

「圭からこれに着替えろって渡されたんだけど……」
 鈴木が協力してくれるのに、薪は自分に近づいてきた鈴木に今自分を困惑させているものたちがよく見えるように少し体をずらして場所を譲った。薪の思った通りの場所に、鈴木は収まる。
「これ…靴だよね?」
 まずは黒のパンプス。
「この長いの…靴下?」
 それは白のニーハイソックス。
「服はこれを着ればいいと思うんだけど、この白のひらひらはいったい何だろう?」
 そこに用意されていたのはスカートの裾にレースとエプロンが縫い付けられた黒のフレンチタイプのワンピースに、真っ白なパニエまである。ホワイトブリムはやはり真っ白な、レースが幾重にも付いたカチューシャだった。
それらの一つ一つが丁寧にビニール袋に収まっているのを順に、うんうんと頷いて聞く鈴木に示しながらラスト3つのビニールの前で薪の手が止まる。
「なに?」
 それを見た鈴木も固まる。
「これは………」
「女性用下着、だな」
 しかも下。
「これも穿かなきゃいけないのか…な?」
「………っ、ふっざけんなよ、圭っ、あいつ」
 食い入るように二人、その薄ピンク色にフリルとりポンの付いたそれを見つめた後鈴木が怒りの声を上げる。
「こんなん、穿かんでいいぞ、薪っ、悪ふざけにも程がある」
「でも鈴木、ぼく今日ボクサーパンツだから穿き替えないと見えちゃわないかな?」
「見えないっ! 見えたって構わないだろ!!」
「でも、やるって言ったからには全部きちんとしたいんだ」
「ううう………」
 こんな時、依怙地なくらい真面目な薪は本当に融通が利かないと鈴木は思う。
 ………仕方ない………

「残ったこれは?」
 うなだれかけた鈴木に薪が次のビニール袋を差し出す。
「後はブラジャーと…胸パッドか……」
「へぇ……ぼく初めて見た」
 上下お揃いと思われるそれはやはり薄ピンク色にフリルとリボンで飾られていて、いっそロリータ的にも見える それをビニールの袋に包まれたまま構造でも確かめるかのように窓からの陽に透かして見た。
 その、興味深げな薪の様子に鈴木は不思議そうに首を傾げる。初めて見た、というのはこの薪に限って真実だろうと思う。でも、だから。
「そんなにまじまじと見て…恥ずかしかったりしない?」
 だってそれ、女の子の下着だよ? 鈴木から指摘されて薪は、不思議そうに鈴木に向かって首を傾げて見せた。
「別に……だって、ただの服だろ? 確かに形は、男のぼくには珍しいけれど」
 そう言われて鈴木は、薪にとってこれはただ化繊の裁断され縫合された製品としてだけあって、それに包まれる身体への想像を逞しくして自らを興奮させたりするものではないのだとわかる。
 そう思い至れば確かに自分にとってもそれはただの布きれでしかないと鈴木は思った。これは決して、ただあるだけで自分にも薪にも劣情を催させるものでは、ない。

「じゃあ、鈴木は?」
 鈴木の沈黙を何と取ったのか、首を傾げたままの薪が訊く。
「鈴木はこれ見てどんなこと思うの?」
「Bカップだな…おれはもう少し大きい方が好みだ」
「……………」
 至極素直に答えた鈴木を薪が非難めいた瞳でじっと睨む。
「なんだよ」
「………いや……さすが鈴木は言うことが違うと思って………」

 まあいいや、と薪はため息と一緒にそれらを机の上に戻す。
「じゃあ、着替えるから」
 と着ていたセーターの裾を捲り上げるのに、そうだな、と頷いて鈴木は傍らのパイプ椅子を見つけてそこに腰を落としかけて、
「ちょ、待てっ、カーテン!」
 正面の、中庭に面した腰高窓のカーテンが開け放ってあるのを見咎めて叫ぶ。
「カーテン閉めろ」
「……別に男の着替えなんて、誰が見ても構わないと思うけど……」
「っ、下着も替えるんだろ」
「……男の裸なんて……」
「いいからっ!」
 言って鈴木は、脱ぎかけのセーターを腕に纏わせたままの薪の横をすり抜けて窓のカーテンを閉める。その剣幕に薪は不思議そうに瞬きする。
「……………」
 何も言わなくても、薪が自分を不審に思っているのがわかって鈴木は不愉快になる。薪の無自覚と無頓着を気遣っているだけなのに。さっき座りかけたパイプ椅子を壁の本棚に引き寄せて鈴木は、不機嫌を装って薪に体を斜めに向ける姿勢で今度こそどっかりと腰を下ろした。

 やがて、鈴木の視界の端に薪のズボンが床に落ちるのが映る。目に入れないようにと思っても、紺系の靴下が露わになって、そこを暗色系の布が上から下へ潜り抜けて外れていくのが見える。
 ビニール袋の封を開くパリパリという音とそれから、さっき二人で見入った薄ピンク色の薄い布地が薪の指先に纏わりついているのを見つけて鈴木は、自分でも訳もわからず顔を背けてしまった。

「ね、鈴木」
「……………」
「ねぇ、鈴木」
「なに?」
 何度か呼ばれて、それまで常になく彼の呼ぶのを聞こえないふりしていた鈴木が仕方なさそうに応えを返す。
「これ……どうやって着たらいいのかわからない」
 振り向けば薪がブラジャーのひもを両肩に、掛けるところまでは正解だったがそれ以上は、どうやって身に着けていいのかわからずに途方に暮れていた。
「ああっ、もう、仕方ないな」
 乱暴な所作で立ちあがって、鈴木はテーブル脇に立つ薪の傍に寄る。
「これって背中側でとめるんだよね?」
 鈴木が自分が呼ぶのに応じてくれたのに、ほっとした様子の薪が近づく鈴木に背中を向けた。まるで肉の付いていない華奢な肩甲骨のすぐ下で薄ピンク色の下着がゆらゆらと揺れている。
「そうだよ」
 言いながら鈴木は薪の背中に立って離れていた下着の両端を引き寄せて止める。
「きつくない?」
「平気」
 安堵した薪の返事を聞いた途端に、鈴木は自分の腹の奥がずんと重くなったのを感じた。
 薄ピンク色の化繊が薪のまるで象牙のような光沢の肌に纏わりついている。白すぎる肌の上にフリルとリボンの薄ピンク色が可憐に映える。どうしてだろう、さっきまでこれは、ただの既製品の下着に過ぎなかったのに。

「さすが……鈴木は女の子の下着の扱いに慣れてるね」
 薪の、少しからかうような声に我に返る。
「そんな……そんなこと、ないよ」
 戸惑ってくぐもった声をどう取ったのか、
「鈴木がいて助かった」
 薪は小さく笑った。

「こんなに長い靴下があるんだな」
 変に感心しながら薪がニーハイソックスに足を通す。パニエとワンピースも下から穿いて袖に腕を通して、
「ごめん、鈴木…背中の……」
 もう全部言わなくてもわかってる。鈴木は黙ったまま薪のワンピースの背中のファスナーを上げてやった。
 陽にさらされることもない真っ白な肌をうなじに向けて指を這わすと薄茶色の絹の髪が指先の近くでくすぐったそうに揺れた。

「ありがとう…鈴木のおかげでなんとか支度できたよ」
 最後にブリムを頭に着けて、やり遂げたとでも言わんばかりに薪は微笑んだ。
 薄茶色の髪に純白のレース飾り。カラーとエプロンだけ白いフレンチタイプの黒のメイド服の裾にはやはり白のレースが揺れているのの、スカートはたっぷりしたパニエのせいでふんわりと膨らんでいる。
 ミニスカートから見えている太ももも、すぐに白いハイソックスに隠されて、小さな足は爪先の丸まった少女めいた印象の靴に包まれていた。
 どこから見ても立派なメイドの姿だ。

「じゃあ、行こう、少し遅れちゃったから」
 整った途端、何の躊躇もなく準備室を出て行こうとする薪に、鈴木はどんな言葉もかけられずただ素直に後に従っていった。







(続きます)
ひよこ編は明日の分で終わります。 が、 さかな編もある、って言ったら引かれますか………いや、すみません、えっと………すみません……


読んで頂いてありがとうございました~~

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