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2012.08.15 17:56



こんにちは。

すっかり放置プレイがデフォルトになっております、みちゅうです。


夏まっさかりですが、皆さまいかがお過ごしでしょうか? 夏バテなんてなさっていませんか?

わたしくはですねぇ←訊かれてもいないのに……パートと子供の夏期講習の送り迎えで常より、そう休みじゃない時より忙しいです!!
ケータイアドレス変わったのもまだ誰にも言ってないし、夕方力尽きて寝ちゃうし、ああでも来週は実家と出かけなくちゃ、今日も出かけて来たけど…お盆だっていうのに近所にお葬式も出ちゃったし、もう、ぐだぐだですっ!!

そんな中、空気を読まない駄文をすみません。
こちらの話……「あれ?どこかのブログでこんなたわけた考察読んだことあるかも?」と思われた方………
あっちも私なのでパクリとかじゃないです←何気にカムアウト。許してください。

何のことやらな方も、もしよろしかったら追記からお付き合いくださったら踊るほどうれしいでございます。

広いお心で………





















「子供の時の一番古い記憶は、父親でも母親でもない誰かの膝に抱かれて窓から外を見てる。見えるのは一面真っ白に霞んだ世界と、上から舞い落ちてくる白い破片。
「いつから始まっていつ止むんだろうってくらいずっと降り続いている白い塊は今まで見たことも無いくらい大きくて、それが見渡す限りの家の屋根や街路樹の枝や道の端っこなんかに白さを足している。窓は枠のそばから曇っていて、だから見てる雪景色もどことなくあやふやに見えるんだけど、道を斜めに過ぎて行く自動車の赤い屋根から雪の塊が音もなく落ちたのを見たのは憶えてる」
「………………」
「ぼくを抱いていたのは多分高齢の男のひとで…やたら皺だらけの手が何回も頭を撫でてくれてた。ごつごつして硬い指のはずなのに何故か柔らかくて温かかった。窓に向かったぼくたちの背中からピアノの音が聞こえてる。ゴルドベルクのアリアだった……グールドが弾いた…1981年、彼の晩年に録音された演奏が確かに流れてた……でもそれがいつなのか、どこなのか、一体誰といたのか、ぼくにはちっともわからない」

 内緒話をするのにちょうどいいくらいの間接照明の下で、黒にいやに木目のはっきりしたテーブルを挟んで、まるで絵本を読み聞かせるような口調で薪は鈴木にそう言った。
「…なんでグールドって……?」
 二人の間に不均等に置かれたいくつかの皿の一つから豆腐サラダを小皿に、自分の分と薪の分と取り分けてやりながら鈴木が訊き返す。
「なんで、って……あんな弾き方するの、彼だけだろ?」
 鈴木から突き出されたサラダを盛った皿を頭も下げずに受け取りながら薪が答える。
「あの演奏だ、って気づいたのは大きくなってからだけど」

「でも、変わった話だよな」
 と、今日は彼にしては珍しく頼んだ焼酎のグラスに口を付けながら鈴木が言う。
「確か薪のとこは母方も父方も親戚なんて一人もいなくて…田舎も無いから、おまえ、墓参りの仕方だって、おれのじいさまが亡くなるまで知らなかったじゃないか」
「そうなんだよね」
 鈴木から頂いたサラダに丁寧に箸を付けながら薪が小さく頷く。鈴木はグラスを置いて、さっきとは違う皿から今度はチャーシュー肉ともやしの和え物を取り分ける。
「葬式はともかく、さ…20年も生きてきて一度も誰のお墓にも参ったことないから礼儀もしきたりも知らないなんて、天才でなおかつ常識人の誉れ高い薪くんにしてはおれも驚いたよ」
 先年亡くした祖父の祭事の時に、己が親友の、彼にしては珍しい戸惑いを思い出して鈴木は口の中でだけ微かに笑う。とても小さなその声を、聞き付けて薪が拗ねたように唇を突き出す。
「だって…もう小さい頃からウチにはおじいちゃんもおばあちゃんも居ない、親戚も…家族はお父さんとお母さん以外にはいないって聞いて育ったんだから」

「だから、変わった話だよな」
 と、薪の事情を不思議なくらいよく知っている鈴木がさっきの言葉を繰り返す。
「だってそれって、孫とじいちゃんとの思い出、ってやつじゃないか?」
 うん、と頷いて、薪も自分のビールの注がれた陶器製のグラスに口を付ける。
「この辺じゃないと思うんだよ…雪の感じがさ、湿ってて重い、行ったこと無いけど冬の雪国って感じなんだ、雰囲気も……」
 そこまで話して、薪は少し黙った。その隙に鈴木が自分の取り皿からサラダを口にほお張る。

「おばさんたちにはしたことあるの? その話」
「まさか」
 まだ口をもごもごさせたまま、尋ねた鈴木にとんでもないというような高い声で薪が答える。
「今、鈴木に話したのが初めてだよ」
「なんで?」
 ちょっと大きく開かれた薪の瞳をじっと上目使いに見ながら鈴木は焼酎にもう一口付ける。
「なんか……訊いちゃいけないような気がしたんだよね、そういうこと………小さい頃から………憧れてたんだけどね、夏休みに実家に帰っていとこと遊ぶとか、ひとりでおじいちゃんの家に泊まっただとか…そういうこと言うとウチの親はあまりいい顔をしなかったというか、なんか淋しそうな感じで……兄弟も要らないって言われたし、まるで……」
「まるで?」
「世界に自分たち二人だけいれば十分、みたいな人たちだった、ウチの両親…今もだけど」

 個室の引き戸の向こうから「失礼します」と声がして、頼んでおいた料理が届く。愛想のよい女性店員がテーブルの上に鉢や皿を追加するのを薪と鈴木は黙って見ている。「ごゆっくり」と彼女が部屋から消えると、鈴木は中断した話の続きを促すように、手にしたグラスを薪に差し向けてみせた。
 曖昧に笑って、薪は応える。

「で?…そのラブラブなおじさんとおばさんは今日はどうしてるわけ?」
「一泊で箱根に行ってる…今年父さんが定年退職してから二人で出かけてばっかりだよ」
「それで…両親に置いて行かれた可哀そうな一人息子は家へ留守番にも帰らず、休前日の夜も遊び歩いている、と………」
「なんだよ、それ」
 怒ったふりをして、頬をぷうと膨らませて見せた薪に鈴木は可笑しそうに床についた手と肩を揺らした。
「だから…薪がさみしくないように、こうやっておれが付き合ってやってるじゃん」
 あっけらかんとした鈴木を、上目づかいで睨みながら薪はビールのグラスに口を付けた。

「明日も来るだろ? おれんチ」
 剣呑な薪の視線にかまいもせずに、鈴木は後から届いた料理も二人のために取り分ける。
「あ、モツは要らない」
 備前風の鉢からゴボウとモツの煮込んだのを二つ目の小器に移そうとする鈴木を薪がテーブルにグラスを置きながら止める。
「あんまり好きじゃないから」
「………そういうのは頼むときに言ってよ」
「鈴木ひとりで食べていいよ」
 今度は鈴木が、怒ったふりをしてぷうと頬を膨らませながら、
「なんでも食べないと大きくなれないぞ」
 代わりにまな板皿から焼き鳥を二串、皿にとって薪に差し出した。瞬きして薪は受け取る。

「で、明日だけど」
 それから、己ひとりの所有となった煮込みの盛られた器を胸の前に引き寄せながら鈴木が話を少し前に戻す。
「じいさまの月命日だから、昼にじいさまの好物作るって母さん言ってたし…薪も来いよ、どうせ一人だろ」
「ん………でも、明日ちょっと行きたいところがあるんだよね」
「………また本屋か」
 ため息交じりに呆れたような鈴木の声に、薪は曖昧に笑って頷いた。
「視床下部報酬系でのドーパミン分泌と犯罪動機の関連についての面白そうな考察があるんだよ」
「物騒な話題にばっかり熱心だな」
 と、鈴木は焼酎に一口付ける。真似るように薪もビールに一口付けて、それから鈴木に寄こされた鳥の串の一つをつまみ上げた。
「じゃあ、さ…11時に新宿で待ち合わせようぜ、おれも本屋付き合う、バイクの雑誌買いたいし、その後一緒にウチ来いよ」
 こくりと頷いて、薪は串の先端の肉を齧った。






(続きます)
また鈴木さんの話です。 うーん、一応あおまきすとのつもりなんですけど……

すみません。

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| | | 2012.08.15 23:13 |

すみませんなコメですみません。

みちゅうさま、こんにちは!ご無沙汰しておりました。
今年の残暑も厳しいですが、体調くずさないように頑張ってくださいね。
夏休み中はいつもに増して大変ですよね・・・こちらもお盆帰省後でなんだかバタバタしております。

さてさて、薪さんの記憶ってグールド氏が好きなお祖父様なんですか~。羨ましい。うち(リアル)の場合、全然ダメです。彼らの考え方が理解できなくて。。。ため息(勝手に愚痴ってすみません~)。
グールド氏って、今年没後30年ということでNHK-FMで特集されてて、先週は偶然にも車内で聴けました(8/21朝から4日間連続の再放送だそうです。よろしかったら)。私はMozartアレルギーで、あのライトな感じがちょっと苦手(女々しい感じ?あ、Mozart fanの方でしたらホントすみません。私個人の主観的問題なので平にご容赦願います)なのですが、グールド氏の解釈なら理解できるかな~と。おっとこまえ(男前)になるんですよね、ワーグナーみたく聴こえませんか?
あれ?グールド氏ってバッハ弾きなのに、私ったら何を勝手に盛り上がってるんでしょう...(またも偏向性を露呈...マニアック視点(汗))脱線しまくりですみませんでした。

連載の方楽しみにしてますね♪それではまたお邪魔しにきます~

| にしのまる | URL | 2012.08.18 09:38 | 編集 |

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