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2008.04.01 06:20



こんにちは。

本日、リアル日付では2011.08.05でございます。
今日、娘と買い物に行きまして、スーパーから出てきたら地面と自動車がびしょ濡れになっておりまして、でも見上げた空は晴れ渡っていて、
短い間にすごい雨が降ったんだな、と二人で驚きました。

え、っと、あの、すみません・・・・

「青い月の下で君に抱かれて」とか言う題ですけど、ごめんなさい、

ただのバカップルです!!! 青木さんがバカですみませんっ!!!

広いお心でお願いいたします。



















 狭いキッチンに詰め込まれるみたいにしながら二人で調理した夕食をリビングのローテーブルに並べて、二人向かい合いに床に座って摂る。
 客用だった茶碗がいつからか「薪さんのお茶碗」と呼ばれるようになり、いつの間にか青木によって薪の箸さえ用意されている。
 食器の片付けさえ、青木は自分一人でも、薪一人にでもさせなくて、並んで競うように、使った皿をきれいにすれば、自動焚き上げの風呂がブザーを鳴らして己の仕事の完了を教える。
 先を譲られて、薪は青木をリビングに残してバスルームに向かった。
 入れ替わりに、後から風呂を使った青木が、まだ湿り気を残したままの髪をタオルでかき回しながら、薪を待たせたリビングに戻ると、彼はベランダへ続く窓のカーテンを少し開けて夜の空を眺めていた。

 青木が戻ってきた気配に薪は振り返る。
「空なんてご覧になっていたんですか?」
 問いかけながら、湿った髪をタオルで拭く手は止めずに青木は薪の背中に近寄る。
 黙ったまま、こくりと薪は頷いた。
 頷いてまた、ガラス越しに夜の空を見上げるのに、薪の背中を包み込むように青木が寄り添って、彼に合わせて空へ視線を巡らせた。

「下弦の月ですね」
 南の中空には、薄青い色をした月が半分だけその姿を地球からの目に晒している。白銀色の月光が微かな触手を空の四方に伸ばし、その明るい尾の周りでは小さな星たちが、砕かれた宝石の破片のように奥ゆかしげに輝いている。
 真っ黒な夜空のどこかで、不遜な飛行機が見えない雲を切り裂いて宙を進む音が聞こえた。

 絹糸のようにしなやかな、薪の薄茶色の髪がほんの少しの湿り気を帯びて、同じくまだしっとりと水分を残したうなじに掛かっている。
 湯の温度が冷めていないで、微かに桜色に発色した薪の首から肩の線が白いTシャッツの襟に切り取られている。その縁に向かって、身を屈めて、青木はそっと唇を寄せた。

 驚いたように、薪が振り返ると今度は自分向きになった彼の頬に、肩の皮膚から離したばかりの唇をそっと押し付ける。
 そのまま、手にしていたタオルはその仕事の途中で床に落とし、空いた両手で青木が薪の体を抱き込むと、短い前髪から拭いきれなかった水滴が、たった一粒落ちて薪を抱く青木の二の腕の上を流れて蒸発して消えた。

「……薪さん見てたら、狼男になりたくなりました」
 背中から包み込んだ薪の、耳元に唇を寄せて、それは呟くように青木は言った。
「襲っちゃいたいなぁ………」
「まだ下弦の月だぞ?」
 自分より幾分も小さい薪に、大きな体を屈めて頬をすり寄せながら言う青木に、薪は呆れた声を出す。
「狼男なら、満月まで待ったらどうだ?」
「薪さんにだったら半月で十分ですよ」
「なにが、狼男だ?インパラみたいなヘタレのくせに」
「ひ、ひどい………」
「インパラに失礼だったか?」
 大げさに傷ついた様子で、抱き締めた薪の肩を戒めから放した青木の、それでもまだ彼の両腕は薪の胸の周りに巡らされていたが、腕の中で薪はくるりと体の向きを変える。
 それは二人向かい合うように、立ち直して薪はさっきまで月の姿を映していた瞳を青木に向けた。

「じゃあ、ガゼル?……もっとトロいのならアルパカ?」
「……何でですか?」
「ドメスティックならホルスタイン」
「なんで草食動物ばっかりなんですか?」
 薪はふざけているだけなのに、必死に反論する青木が可笑しくて、薪は足元はそのままに、体だけ傾けて、倒れかかるようにその頬を青木の胸に押し付ける。二人の体の間に合った空気は圧縮されて追い出され、薪の微かな芳香と共に青木の鼻に届く。
 発散しきれない熱がこもって、薪が寄った青木のシャッツは少し湿った感じがした。

「…………外国だと恋人のことをもっとロマンチックな呼び方しますよね?」
 珍しく、自分から甘えるような薪に少し驚きながら、それでもうれしくて彼の肩をそっと抱きしめながら青木が言う。
「例えば?」
 頬を青木の胸につけて、彼の方は見もしないで薪が尋ねる。
「ハニーとか、ダーリンとか……少なくともアルパカとか牛とかは言わないと思います」
「なんて呼んで欲しいんだ?」
 突拍子も無く思える青木の言葉に、声に笑いを混ぜながら薪が訊く。
 彼から何と呼ばれたいのか…薪を胸の内に取り込んだまま、青木は少しの間黙って考えて、天上を仰ぐようにした後で、困り切った風情で言った。
「…………ダメだ、今ちょっと想像したんですけど、呼ばれただけでいっちゃいそうで……」
「あほう」
 薪が問うたことの答えになっていない青木の返事に、しかもその内容に、心底呆れたように薪がため息を吐く。
「まあ、なんと言われようと呼ばないけどな」
 と自分から尋ねたくせに冷たい応えを返す薪に、それでも青木は楽しそうに答えた。
「じゃあ、代わりにおれが薪さんを……『ハニー・ビー』とか?」
「刺すぞ?」
「『マイ・チェリー・パイ』とか、『マイ・チョコレート・パフェ』とか?」
「本気か?」
「ああ、でも薪さんは甘酸っぱいとかほろ苦いより、激苦というか……『ブラック・コーヒー』?」
「それが青木の求めるロマンチックなのか?」
 青木が出してきた結論に、薪はそれまで青木の胸に伏せていた頬を上げた。
 まったく信じられないと呆れた顔で見上げると、意外なくらいうれしそうな顔で、青木は薪を見おろしていた。

 子どものような素直さで薪を見おろす青木の瞳は、さっき見上げていた夜空よりも真っ黒で、なのにお星さまのようにぴかぴか光って、その真ん中に薪の少し呆れた顔を映している。
「試してみるか?」
 青木の瞳に閉じ込められた薪は小さく瞬きして言った。
「ブラック・コーヒー……眩暈がするくらい苦いぞ?」
 お子様のおまえには、と薪の言葉の終わらぬうちに、青木は薪に勧められたまま彼をテイスティングする。
 自分に向けて持ち上げられた薪の顎に軽く右手を添えて、自分に向けて窄まれている小さな唇にふんわり触れるだけのキスをする。
 薪の腰に当てた左手を彼の体が自分の腹に押し付けられるように引き寄せながら、二度目のキスはもっと深く、両唇を包み込むように、それから、薄っすらと開いていた唇の間にこっそりと舌を忍ばせると、薪の口の中で並んだ真珠のような彼の歯列の扉はまだ閉じているから、求めて舌でノックすれば、ほんの少しためらうようにゆっくりと開いてやっと青木を中に入れてくれる。
 いたいけな薪の舌を無遠慮に吸い取って、彼の呼吸を邪魔しながら、薪からも息を吐くのを邪魔されながら、青木は彼の甘さに酔う。そして思う、シュガーレスでこの甘さなら、砂糖入りだったらどれだけ甘いだろうか。
「『シュガー・スウィート』」
 昔聞いた恋の歌を思い出して、キスの合間、ちいさく青木は呟いた。







(続きます)
本当にすみません・・・・・



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