--.--.-- --:--

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | |

2008.04.01 06:15


こんにちは。

本日、リアル日付では2011.08.04でございます。台風来てますね、沖縄大丈夫かしら?


え、っと、昨日の続きなのですが、今回の記事で一部、あるものをご存じでない方には「????」な個所がございます。
ご面倒さまでもこちらをご覧になってからだと「????」が軽減されると思いますので、もしよろしかったらぽちっとな、して頂けましたら、うれしいでございます。

変なお願いをしてすみません。

よろしくお願いいたします。


















 すっかり夏になってしまう前から、休日の薪は青木の部屋に入り浸っていた。
 薪の希望ではない。青木が彼に、ぜひ自分の部屋に来て、休日を一緒に過ごして欲しいとねだったのだ。
「だって薪さんのベッドは、二人で使うには広すぎるんですよ」
 彼に特有の、困ったような少し照れたような顔で言われて、薪は急に合点がいく。
 黙って、彼に従った。


 土曜の夕方、薪と青木が目指していた目的地は、青木の自宅がある駅の傍の、夕飯前の買い物で人の多いスーパーマーケットだった。

 店の中に入れば、薪は青木のすぐ隣を歩いてくれる。プラスティックの買い物かごを持った青木を従えて、野菜売り場を回れば、青木を小さく見上げて、
「何が食べたい?」
 なんて訊いてくれる。
「ブロッコリーとカリフラワー!」
「人参も加えてオーロラソースで喰うか?」
「にんじんはちょっと……塩とゴマ油でナムルはだめですか?」
「好き嫌いするなよ……でも、じゃあ、オクラもだな」

 真鯛の切り身を買ってポアレにしよう。レモンはあったっけ?と訊かれて青木はうれしそうに頷く。
 牛乳をかごに入れて、翌朝のパンを選んだら、レジに向かう途中の催事コーナーで北海道の物産品を扱っているのを見つけた青木が、
「『北海道フェア』ですってよ、行ってみませんか?薪さん」
 言うが早いか、人だかりの中へ薪の了解前に一目散に走っていく。
「ちょ、待っ」
 子どものように性急な彼に小さくため息を吐いて、薪はゆっくりとした歩調で青木を追い掛けた。

 平の冷蔵ケース二つと長四角のテーブルには、「北海道」と聞いたら思い浮かびそうな乳製品やら羊肉の真空パックになったのやら、いつだったか友人からお土産でもらった記憶のある有名なお菓子やらがぎっしりと並べられていた。
 他人の間を潜って、好奇心に目をきらきらさせている青木に後ろから近寄りながら、薪もケースの中に詰まったそれらに目を落とす。どのパッケージも目新しく、美味しそうに見えた。
 薪が追って来てくれたのに気付いて、自分のすぐ隣に並んだ彼を見おろして、青木はまたうれしそうに笑む。

 わくわくした瞳で、ケースの周囲を順にめぐる青木がテレビメディアで何度か目にしたことがある有名な牧場で作られたチーズやヨーグルトが置かれた前で急に立ち止まる。
 手を伸ばして、そのうちの一つ、小さなひょうたんのような形をしたチーズを取ると、真剣なまなざしでじっと見つめた。

「………?なんだ?」
 青木に添っていた薪もつられて立ち止まる。
「カチョカヴァロ?」
 青木が手にしたチーズの、あまり聞き慣れないその名称に、薪は小さく首を傾げて、商品手前に置かれたポップの説明文に目を走らせる。
「南イタリアのチーズだそうだぞ?意味は『馬の鞍』、左右に二つぶら下げて熟成させるのが馬の鞍から垂らしているみたいだから付いた名前だって……焼いて食べると、美味い」
 喰いたいのか?と、自分の手の中の小さなチーズをじっと見つめたままの青木を見上げて薪は尋ねた。
「買っても良いぞ?」
「……………」
 それは優しい口調だったのに、一心にチーズを見つめる青木は返事をしない。

「焼いたのをブロッコリーに掛けても良いし、ジャガイモ買って茹でて、それと喰っても……」
「いえ、そうでなくて」
 頭の中でメニューを再構築し始めた薪に、相変わらず視線はチーズの上に置いたまま、少し呆然とした声で青木はやっと返事をする。
「そうじゃなくて、この、これが………」
 と、やっと薪に向かい合いながら青木はひもで結わえられたチーズの小さい頭の方の真ん中の、少し窄まって窪んで見える所にそっと指を押し当てて薪に示して、体は彼の方に斜めに屈めながら、薪の耳元、他のひとには聞こえないくらい小さな声で、言った。
「チーズのここが、薪さんの………に見えます」

「なっ」
 瞬間、琥珀色の瞳がこれ以上ないくらい大きく見開かれて、店内の冷房で冷めていた薪の頬に火が点る。なのに、あまりに真剣にチーズに見入る青木は薪の様子に全く気付かないで、言葉を続けた。
「いえ、薪さんの方が何千倍もきれいなんですけど……でもなんとなく似て見えるっていうか」
 なんかちょっと、デ・ジャ・ヴュ?
「なに、なにを…何を言ってるんだ、おまえは……」
 真面目な口調で言い募る、青木に薪の顔色が酸に反応するリトマス紙みたいに真っ赤に変わる。反論と非難の言葉を投げつけたいのに、あまりにも意外なことを言われた薪の頭は彼らしくないくらい機能しない。

「それは、チーズだぞ!食べ物なんだぞっ!!」
「わかってますよ?」
 場所を弁えられない薪の大きな声とは一変して、青木は困惑を露わにした薪を冷静に見下ろした。発熱したみたいに頬に熱を点して、頭からは湯気の出そうな薪ににっこりと笑い掛けた青木には、自分の発言が彼を戸惑わせた自覚はない。
 だから羞恥に涙目になりそうな薪の様子にも頓着せずに、それは今の薪には似つかわしくないくらい静かな口調で続けた。
「…そうか、焼くと外はカリカリで、中はとろーりと………ますます薪さんみたいですね、『とりこになる美味しさ』っていうところも……」

 ばちん!と、首が前方向に傾くくらい強い力で背中を叩かれて、青木は手にしていたチーズを取り落としそうになって焦る。
「痛ったいっ、何、するんですか、薪さん」
 お手玉を操るみたいに、間一髪でチーズの落下を防いだ青木が自分を痛くした薪を咎める。
「うるさい、うるさい、うるさいっ!!このヘンタイめっ!!」

 それは大きな声だったから、彼らの周りで彼らと同じように買い物に興じていた客の幾人かは、突然の叫ぶような薪の声に驚いて彼らを振り返ったかもしれない。
 でもそんなこと、薪には構えなくて、怒られて呆然となった青木を冷たく残して、彼は一人、買い物かごさえ持たず、さっさとレジの方向へ歩いて行ってしまった。

 それからやっと、自分が薪を怒らせたことに気付いて焦って謝ることも忘れた青木が、薪を追って会計を済ませて、まだ怒りと羞恥で視線を刺々しくしていた薪、それでも薪は青木を待っていてくれた、と店の外へ出ると、夏の夜はすっかり街を飲み込んでいて、さっきオレンジだった空気に透けた群青の闇色が足元から溶けていた。

 腹を立てても、買い物を終えた二人の目的地は自動的に決まっているから、まだちっとも彼を許すつもりになれなかったけれど、薪はさっき店に向かっていた時と同じ位の距離で青木と並んで家路につく。
「……………買わなかったのか、チーズ」
 冷たく尖ったままの瞳で、それでも青木が提げたビニール袋の中身を検証した薪が訊く。
「はい、だって………」
 薪さん怒らせちゃったし、と、このときはもうすっかり薪の不機嫌を承知して、怯えるように大人しくなっていた青木は殊勝に返事をする。
「ごめんなさい、おれ……薪さんに嫌な思いさせちゃうとか、そんなつもりじゃなくて、ただ、思いついちゃったって言うか、えっと、つい……」
 それから続いた言い訳は、まるで下手な小学生のそれのようで、そう言えば奴はご飯の炊けた匂いでもぼくを思い浮かべて発情するのだと思い出して、歩きながら、肩を落として俯いて、薪はため息を吐いた。

「………しばらくあの店には行かないぞ」
 呆れ切った声は諦念を含んでも青木を許してくれていて、
「ごめんなさい」
 ともう一度、ぴょこんと頭を下げてから、手に提げたビニール袋をがさがさ鳴らしながら青木は、薪のすぐ隣に並んだ。








(続きます)
なんか下品ですみません。 薪さんが崩壊していてすみません。


スポンサーサイト

| 二次創作・「青木氏と薪室長の他愛ない日常」 | コメント(2) | トラックバック(0) | |

この記事へのコメント

鍵拍手コメントくださったCさまへ


しーさま、こんにちは。
拍手コメント、ありがとうございました。

エロ坊主!!!!

なんという褒め言葉!!!ありがとうございますっ!!←???

こちらの青木さんは中学生くらいをイメージして書きました。
ばかでしょう?男子中学生。←ごめんなさい。
子供の授業参観に行ったら、数学の授業で「円周率をπという」のにクラス男子ほとんど全員が異常に反応していて、ほんと、男の人って「男子」と呼ばれる一時期はバカだわ、と思ったもので・・・・・

コメレスも読んで頂いて、ありがとうございました。すみません、記事にしちゃって・・・・

弾かれた文言は、よくわからないのですが、心当たりの言葉を次々消していくと、伏字ばっかりでもう文章が成り立たなくなるので、記事だと大丈夫だから、すみません・・・・

とりあえず、滝薪とコメレスの二つでしーさまの愛想を尽かされていなくてとてもうれしいです。これからもよろしくお願いいたします。

拍手、ありがとうございました。
しーさまのまたのお越しをお待ちしております。

| みちゅう | URL | 2011.08.05 09:42 | 編集 |

鍵拍手コメントくださったAさまへ


Aさん、こんにちは。
拍手コメント、ありがとうございました。

きゃーーーーー、
下品ですみませんーーーーーっ、青木さんを怒らないでやってくださいっ!!
こちらの青木さんはばか男子中学生をイメージして書いたので・・・そうです、わたしが悪いんです、ごめんなさいーーーーーっ。

滝薪も読んで頂いて、ありがとうございました。
いえ、体で償うっていうかね・・・・
薪さんは、やっぱりずっとご自分の罪を「償いたい」と思っていらしたと思うんですよ。
でもね、「薪さんは悪くない」って言われちゃったらその贖罪の機会さえ取り上げられちゃってるじゃないですか。
だから、「償え」って言われることが、「許されること」のきっかけのように思えて、つい・・・・出来心で・・・・・ごめんなさい。

青木さんのいいなりの薪さん!!!そんなSSさんが!?!
(すみません、わたしあまりよそ様に行かないもので~~~最近は本当にご無沙汰で、ごめんなさい)
そうか・・・・うちの薪さんもけっこう青木さんの言いなりだと思うんですけど(←オイ)、そういう系統でなくもっと淫靡な感じの「言いなり」なんですね?探してみます。ありがとうございます。

それから・・・・
わたしも薪さんには滝沢さんの言いなりにはなって欲しくないです~~~(でも原作ではけっこうタッキーの思い通りになってますよね?表面上は)

拍手、ありがとうございました。

Aさんのまたのお越しをお待ちしております。

| みちゅう | URL | 2011.08.07 09:21 | 編集 |

コメントを書く

 
管理人にのみ表示
 

↑ページトップ

この記事へのトラックバック

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

↑ページトップ


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。