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2008.04.01 06:05



こんにちは~~~


今日はリアル日付で7月12日です。毎日暑いですねっ。
昨日は今年の東電の使用電力量の最高を記録したとか・・・・これから上がる一方だと思うんですけど(だって下がる要因の心当たりがないもの)。

わたしも死なない程度に節電しています。
皆さまもどうかお体に気を付けて、暑い夏を過ごされてくださいね。


で、
こんな話をすみません。

あのね、原作が辛いからラブい二人が書きたかったの、うん、ラブい二人がね・・・・なのになんでこんなことに・・・・

もしよろしかったら広いお心でお願いいたします。





















 自分たちの仕事が忙しいということは、それだけ世間には悲しく痛ましい事件が溢れているということで、忙しない業務の合間、ふっと息を吐いた瞬間に、そのことに思い到って切なくなること以外に、仕事の繁忙が青木を苦しくさせるようになったのは、以前はただの上司でしかなかった薪のプライベイトの中にまだほんの少しとはいえその身を置けるようになってからだ。

 もう10日以上、青木は薪とは仕事の話しかしていない。だから。

 犯行現場の状況は?だとか解剖所見はどうだった?とか容疑者の目星はついたのか?とか、まったく無機質で一片の情緒も感じさせない文言しか発しない薪の唇が、咲いたばかりのぼたんの花弁の露を載せたようにしっとりと艶めいて、甘露のような息を漏らすことを思い出して、青木は切ない気持ちになる。
 ひとの命と引き換えに、捜査のために与えられた映像の、どんな些末な情報さえ一切見逃すまいと、研ぎ澄まされたナイフのように鋭利で硬質な輝きしか見せない薪の瞳が、自分と親しく視線を交わして、それから温かなはちみつ色に蕩けることをだれでもなく知っている青木は、その優しい色を思い出して苦しくなる。
 それはひとりの我がままなのだと、よくよく承知して、でも時折我慢が効かないような心持になるのは、
「…独占欲なのかな…?」
 すべてを排除して、彼から自分だけを見つめてもらえる時間が欲しい、なんて、まるで母親を求める子供のようだと、青木は自分が可笑しくなる。

 それから、もう一つの気掛かりは、今自分が感じている焦燥のようなものを、10日間顔は合わせても傍に立っても、感情の交換を一切しようともせず、しかもまったく常と変わらない態度の薪は自分と同じ不足感を持ってくれてはいないのかもしれないと、そう思えば自分が彼から必要とされていないようで、青木は、薪の甘やかな姿を思った時の切なさ以上に悲しい気持ちになる。

 1階から4階へ、偶然二人きりで乗り込んだエレベータの中でも、薪は自分のすぐ隣に立つ青木の顔を見遣ることもせずに、手にした大きなファイルにとじ込まれた書類の字列にじっと視線を落としたままでいた。
 水を張ったような沈黙の、それは乱すことが憚られるようで、青木は幾度か躊躇して、しかしとうとう我慢が効かず、
「薪さん、あの………」
 話し掛けるべき事柄なんて持ち合わせてはいないのに、つい彼の名前を呼んでしまった。

「………………」
 呼ばれて、薪は声の主を仰ぎ見る。青木をじっと見上げる琥珀色の瞳は、直前までそこに映していた文章の無機質さの証明のように硬い色をしていた。
「あの…………」
 太古の昔から強い力に押しつぶされて出来上がった宝石のそのような、美しいけれど近付くことを躊躇いそうな薪の瞳に、継ぐべき言葉が見つからず青木は戸惑う。
「あの………いつ、家に帰れますかね……?」
 困った挙句、出た言葉の場違いさに、一瞬で自己嫌悪したら言い訳の言葉が、今度は流れるように青木の唇から出てきた。
「いえ…今見てる事件……急に呼び出されてそれきり泊まり込み続きだから、冷蔵庫の中にしまいっぱなしのマグロのづけたのが……」

 言葉の途中で、
「青木……」
 と視線は青木の頬の上に置いたまま、薪から仕方なさそうな息を吐かれて、青木は一瞬口を噤む。それから、
「……すみません……」
 それ以上自己弁護することを諦めて、花がしおれるように下を向いてしまった。

「悪いが、おまえを家に帰してやれるのは当分……今の事件が片付いたらだな」
 なのに、薪から至極真面目に分かりきった回答を寄越されて、青木はますます俯く。
「………あの、そうじゃないんです、家に帰るのは、別に……本当は……」

 本当は、薪さんと一緒に居たいんです、仕事でじゃなく、おれと薪さんとして居たいんです。それなら場所はどこでも構わなくて、どんなところででも、ただ思いを交換したいんです。抱き合わなくてもいい、キスしなくても、好きって言えなくても、ただ薪さんの瞳が優しく輝くその中に、自分の姿を映したいんです。なのにそれさえ許されないのが、おれは辛いんです。
 なのに、薪さんは平気なんですか?

 ゆっくりと薪に体を向き直して、それから止めようもなく湧き上がってきた自分の気持ちを、とうとう薪に伝えようと青木が口を開きかけた時、軽快なチャイムの音が聞こえて、二重の重い鋼鉄製のドアが開くと、薪と青木と二人だけだった小さな鉄の箱の中に急にどやどやと人が入ってきた。
 3階。
 青木は急に増えた人口に肩をいからすように身を縮めて、寄せる人波から薪を守るように彼の体を壁に寄せてそのそばに立つ。
 薪も、乗りたい人数が落ちこぼれないように場所を空けるべく、開いていたファイルを閉じて左手に抱え持つ。
 最後の一人が乗り込んで、窮屈そうにドアは閉まった。

 両肩に感じる重力に、青木がふと気が付けば、自分の左手の指先に薪の右手の甲が微かに触れていた。
 それは最初、花の蜜を吸うためにその花弁の端にそっと止まるちょうちょのように密やかに、それから急に、今度は風が草を巻き込むような性急さで、薪の人差し指と中指とが青木の、薪のそれよりも幾分も太く長く節のしっかりとした人さし指を捉えると、それは抱き締めるように、きゅっと強い力で戒めてから、一端離して、それから薪の指先は青木の指の腹を、ピアノの鍵盤を叩くように撫でた。ひそやかな愛撫の所作。

 わかってる。

 薪の手指の先からそう言われている気がして、青木は自分の人差し指に甘えるように絡む薪の指を、その悪戯を咎めるように、捕らえて、世に2つと重なり合わないたった一組のパズルのピースがはまり込むようにしっかりと握り締めて、放さない。

 それは、次の階に着くまでのほんの数秒の内に起こった出来事で、さっき大勢の人が乗り込んでくる前触れになったのと同じチャイムの音が聞こえて、
「すみません……失礼します……」
 行く手に悪意なく立つ人々を丁寧に退かしながら薪と青木がエレベータを降りるときには、二人の手の交わした情交は誰の目に触れることも無くすっかり消え失せている。

 青木よりも一歩先にエレベータを降りた、薪は決して後ろの青木を振り返ってはくれなかったけれど。
 青木にはもう、わかっている。なんて慎ましやかな薪の愛情。それは絶え間なく注がれて、朝に日が昇る当然のように、ただ青木は気づかなかっただけだった。

 薪さんに選ばれている。

 その優越に、青木は冷たく見える薪の背中に向かって小さく、それは幼子の安心しきったような笑みを浮かべると、また、どんな情緒の一片さえ入り込むことを許さない非情の世界に帰って行った。薪と一緒に。







He does,they do.




(終わりです)
すみません、 ありがとうございました。


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| 二次創作腐・Lab slave系 | コメント(2) | トラックバック(0) | |

この記事へのコメント

鍵拍手コメントくださったSさまへ


Sさん、こんにちは。
拍手コメント、ありがとうございました。

きゃんっ、
なんだか喜んで頂いたみたいでうれしいです~~~

そうですっ!!
Sさんのおっしゃる通り、ほんとはこうなんですよ、誰にも見つからないように、こっそり愛し合っているのですっ!!!・・・・・だったら良いなぁ。←とたんに弱気。

頂いたコメントにSさんのお苦しみを見た気がいたしました。
どうか元気をお出しになって、希望を持って薪さんと青木さんを見守っていきましょうねっ!!

拍手、ありがとうございました。
Sさんのまたのお越しをお待ちしております。

| みちゅう | URL | 2011.07.15 10:27 | 編集 |

鍵拍手コメントくださったAさまへ


Aさん、こんにちは。
拍手コメント、ありがとうございました。

きゃん、
ラブいと言って頂けてうれしいです~~ありがとうございますっ!!

でもですね、わたし、
原作の青木さんって、けっこう独占欲強いな、って思っています、ごめんなさい。

だって、雪子さんにプロポーズしたのも子供じみた独占欲からな気がとってもするし、
Aさんが書いてらした、「誰のものでもない薪さん」というのは、薪さんを独占できないことがわかりすぎるくらいわかっていて、だからその反動で「誰のものにもなって欲しくない」という気持ちではないかな?と思ったもので。
青木さんがちょっとその気になれば薪さんをわが物にできるというのに。←え・・・・・・

それから~~~
Aさんの青木さんに対する要望が過去形になっていたのですけれど、あの・・・・Aさん、お辛いですか?大丈夫ですか?
きっとこれから一発逆転で青木さんは薪さんに熱烈アプローチしてくれますよ!!!←??元気出してください。

拍手、ありがとうございました。 こんなレス返してすみません。

Aさんのまたのお越しをお待ちしております。

| みちゅう | URL | 2011.07.15 11:33 | 編集 |

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