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2010.03.27 22:53

こんにちは。


頂いているコメントにお返事も返し切らぬまま、すみませんっ!!!


・・・・・とっても暗い話です。(多分)話?話になってるのか?これ?



鈴木さんの一件での薪さんは無辜だと解釈していらっしゃる方はご覧にならないことをお勧めします。
(きっと、絶対に怒られる)


イプさま、大好き・・・じゃなかった、えっと(←すみません、すみませんっ!!!)
いつぞや耳元で囁いた(←????)ダークな薪さんです。でも、きっとイプさまの思ってらっしゃるのと違う・・・ごめんなさい、嫌わないで・・・・・


「秘密」の二次創作です、お嫌いな方にはすみません。
(ああ、この決まりきった文言も久しぶりに打つとかんがいもひとしおです)


広いお心でお願い致します。














 違います、正当防衛なんかじゃありません。
 あの時、誰も居ないはずの第九のモニタ室で自宅療養中だった鈴木が跪き、俯いているのを見つけたとき、ぼくが彼の名前を呼んで振り返った鈴木が、自分のこめかみに、ぼくたち捜査官が携行を許されていた拳銃を押し当てているのを見とめたとき、泣いていた鈴木の瞳は確かに涙に潤み霞んではいましたが、そこに狂気の色は全くありませんでした。
 あの時も、鈴木の栗色の瞳は、湿った涙のヴェールを纏ってさえ、いつも通り温かで穏やかに、そしてまっすぐにやさしく輝いていました。

 命の危険は感じませんでした。
 鈴木はぼくにむかって銃弾を2発発砲しましたが、そのどちらも、彼が慎重にぼくから標準をずらしているのがわかりました。
 ぼくはあの時、鈴木にぼくを殺害しようという意図が無いことを承知の上で、彼を撃ったんです。


 承諾殺人ですか?それも違います。
 鈴木はあの時、ぼくに向かってこう言いました。「薪、だめなんだ、おれの頭を撃ってくれ、だめなんだ、自分ではできない、だからおまえがこの脳を、もうだれにも、こんな画が見られないように」そうです、あの時、鈴木はぼくに向かって殺してくれとは一言も言いませんでした。

 鈴木の望みは死ぬことではありませんでした。彼が望んだのは自分の脳を壊すこと、もう誰にも、自分が見たものを見られないようにすること。
 鈴木が望んだのは自分の死じゃない。結局、死という同じ答えに行き着くことになったとしても、鈴木はあの時、死を望んだりはしていなかった、そのはずです。


 それではなぜぼくがあんなことをしたのか、説明をしろと言われると困惑します。
 何からどうお話したらよいのか、実は自分でもよくわからないのです。

 こう例えるのは許されるでしょうか。
 鈴木に出会う前の、ぼくは醜く汚れた、ただの土くれでした。彼はそれを手にとって、大事に捏ね、ひとの形にし、息を吹き込んでくれたのです。
 彼に呼ばれて初めて、それまで他体との区別のため便宜上貼り付けられただけの記号がぼくの名前になりました。
ぼくを、価値があり、美しく、愛され、恩恵を受けるべき存在であると、鈴木がしてくれたんです。

 何によって? 
 鈴木が居ることによって。ぼくがひととしてあるべき要件に、鈴木の存在は絶対不可欠で、かつ十分なものでした。

 ぼくにとって鈴木は、常に移り変わっていく不実な世界にたった一つあった、頼るべきよすがでした。
 なにものも、自分さえ信じられなかったぼくが信じることが出来るたった一つの対象でした。
 ぼくという存在を保証してくれる、鈴木はその担保でした。

 ではもしそれが、揺らいでしまうようなことがあるとしたら、耐えられるとお思いですか?

 あの事件の少し前から、鈴木が変調をきたしている事に、ぼくは気がついていました。
 他の誰にもわからなくても、鈴木自身が気づいていなくても、ぼくは敏感にそして確実にそのきざしを察知しました。

 ぼくが彼のどんな変化を感じたのか、ですか?
 それは、鈴木の名誉のために言いたくありません。
 いえ、自分を弁護したいわけでは決して無いのです。ぼくは自分の犯した罪から逃れることを望んでいません。それどころか、この上ないほどの弾劾と糾弾と、処罰さえ求めているのですから。

 では、こうとだけ申し上げます。
 あの頃の鈴木はそれまで彼が確固としていた自分の感情に揺らぎを感じていました。そしてその永遠の約定を覆しかねない自身の変化に戸惑いを感じていたことも、ぼくは知っていました。
 これは確かなことです、そしてそれはぼくの戸惑いも引き起こしました。

 鈴木の心の揺らぎは、磐石と信じていたものが崩落していく恐怖をぼくに与えました。
 彼の変化はぼくには耐えられない。ぼくにとって神から与えられた真理のごとく不変であるはずの彼が、ぼくが不信している世界と同じように移り変わって、以前とは異なるものになるなんて。

 もし、それと同質の変化を、鈴木以外の者が成したならば、ぼくは当然受け入れたと思います。
 すべてが流れ移ろい、確かなことなどひとつも無い不実な世界で、それは至極当然なことですから。
 でも鈴木は違います。彼は、決して変わることなく彼女を愛し続け、且つ、彼女からの愛情を疑うことなど、してはいけなかったのです。
 ………言い過ぎてしまいました。


 鈴木から、彼の頭を撃ち抜くようにと懇願されたとき、心の中でぼくはほくそ笑みました。その行為が鈴木の死を招くことだとわかっていたからです。
 彼に向かって、嬉々として引き金を引きました。彼の生命活動を止めることが、彼の変化を押し止めることだとわかっていたからです。
 彼の望むをすることが、これから他人に糾弾され非難されることと理解してしかし、そのことを自分に求めた彼に、初めて自分は誰よりも彼から信頼され必要とされていると確信しました。
 あの時初めて、ぼくは彼に選ばれたんです。

 ぼくが傷つけた胸の傷口から血を流し、ぐったりと動かなくなった鈴木に縋って、ぼくはすっかり安心しました。
 ああ、これで鈴木はどこへも行かない。死という戒めによって、彼は変わることの無い、絶対で完璧な存在になったのです。彼とぼくとが望んだ通りに。

 なのに、自分の仕事を成し遂げて、狂喜してしかるべきだったぼくが、何故あんなに取り乱して泣いたのか、自分でもわかりません。
 あの時のぼくは間違いなく、自分のなすべきことを成し遂げて、満足していたはずなんです。それなのに。
 頬を伝う涙が、喜びからともそれ以外の感情からとも判別がつかなくて、正直困りました。

 もしかしたら、結果として、ぼくが打ち抜いたのは彼の心臓で、頭ではなかった、ぼくは彼の最期に何の役にも立たなかったということへの申し訳なさからでしょうか。


 結局殺すことになるならば、なぜ彼の望みを果たしてやらなかったか、ですか?

 だって、脳が死んでも人間の体は生きているでしょう?でも、心臓が止まったら、それは生ではない。
 それに、記憶、というものは、脳の中にだけ焼き付けられるものではないんです。ひとの心は印画紙じゃない。理性と情動とのうち、ぼくが押し止めたかったのは、鈴木の脳ではなく心臓に宿るものの方だったのです。



 ぼくがお話できることはこれだけです。
 ご質問の返答になっているのか、自分でもわかりかねますが、ぼくは自分の成した行為に弁護も釈明も必要とはしません。いかなる酌量も求めません。
 どんな罪状も、そこから引き起こされる罰も、すべて受けるつもりです。自分がしたことですから。
 律法の名の下に裁かれることに、どんな不満もいだきません。

 はい、ぼくが犯した罪ですか?

 彼を愛したことです。




「では、その罰は、“彼”を愛し続けることだ」









(終わりです)
すみません、  怒って??














「決して穢されることのない庭園でぼくたちは愛し合う、
 かつて在ったきみの麗しい面影を映した鏡の中で」




失礼しました。


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| | | 2010.03.29 09:26 |

鍵コメントくださったKさまへ

Kさん、こんにちは、

コメントありがとうございました。

お返事はKさんのブログさんにお邪魔してさせて頂きました。

こちらでは頂いたコメントのお礼まで・・・・


ありがとうございました。

Kさんのまたのお越しをお待ちしております。

| みちゅう | URL | 2010.03.30 14:04 | 編集 |

鍵拍手コメントくださったSさまへ

Sさん、こんにちは、
鍵拍手コメントありがとうございました。

そうです、これが例のアレです。

暗い話なので、Sさんにお読み頂いたら嫌な気持ちにさせてしまうのではと心配しておりました。

お忙しいのは存じ上げておりますので、どうかお気遣いなくお願いします。


ありがとうございました。

| みちゅう | URL | 2010.04.02 09:59 | 編集 |

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